集合住宅の防災力を高めることが急務
横浜市は人口が多く、マンション・団地などの集合住宅が特に多いまちです。地震・台風・豪雨などの災害に備え、集合住宅の防災力を高めることが、市民の命と暮らしを守るために重要です。
防災力が向上すると、建物と住民の安全性の向上、災害時の在宅避難の実現、避難所の負担軽減、災害時の物資・救助活動の円滑化、地域全体の防災力の底上げにつながります。
重点施策1 耐震化の促進
旧耐震のマンションについて、耐震診断・設計・耐震改修を促進します。横浜市の補助制度を活用し、設計・工事・工事監理の費用を補助する仕組みがあります。一定の要件を満たす分譲マンションの耐震改修に対して適用されます。
重要な道路沿いのマンションの耐震化は、緊急車両の通行確保など、地域全体の安全につながります。
重点施策2 災害時のトイレを確保
各マンション・団地に、災害用トイレ設備(無水トイレなど)の整備を支援します。断水時でも使えるトイレを、1棟につき1基以上設置することを目指します。
トイレパックなどの備蓄も重要です。最低3日分、できれば1週間分を確保しておくことが望ましいです。マンション・団地への災害用トイレ設備の設置に対する補助制度を創設し、衛生環境の確保を図ることを提案します。
重点施策3 災害備蓄への補助
管理組合等による共同備蓄(水・食料・トイレ・救急用品など)の整備を支援します。非常用電源・充電設備、防災資機材の整備も推進します。
防災マニュアルの作成や防災訓練の実施を支援し、在宅避難できる環境を整えます。横浜市には「よこはま防災力向上マンション認定制度」があり、管理組合の防災の取組を支援しています。
マンション・団地・集合住宅の災害リスク
建物が倒れなくても、生活できなくなることがあります。停電によりエレベーターが停止すると、高層階では移動が困難になります。強い揺れで家具が転倒し、けがをする危険もあります。窓ガラスの破損や外壁の落下で、室内外が危険になることもあります。
断水により給水ができない、長期間の停電・ガス停止により生活に大きな影響が出る、排水管が損傷するとトイレが使えず下階で汚水があふれるおそれがある、地下の電気設備が浸水し建物全体が機能停止する。こうしたリスクが想定されます。
耐震性が不足したマンションは、地震で倒壊すると道路を閉塞する可能性があり、救急・消防・物資輸送などの災害対応に大きな影響が出ます。横浜市は、重要な道路沿いの建築物の耐震化の促進、耐震改修に対する補助制度の実施、災害時の緊急交通路の確保、マンション防災マニュアル作成の手引きの公表に取り組んでいます。
武蔵小杉で実際に起きたこと
2019年の令和元年東日本台風では、武蔵小杉駅周辺で内水氾濫が発生し、複数の高層マンションで地下が浸水しました。
47階建て・643戸のマンションで、地下3階の電気設備が浸水し、長期間の停電が発生しました。エレベーターや給水設備が停止し、高層階ではトイレが使えないなど、居住継続に大きな支障が生じました。マンションでは、建物が倒れなくても、ライフラインの停止により生活できなくなるリスクがあります。